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引き算のマネジメント〜行動を増やさず、結果を出す〜/岡本文宏

仕事を「抱え込まない」「抱え込ませない」

業績と生産性を同時に高めるために必要な引き算の発想に着目し、やらないことを軸にしたマネジメントについて解説します。(2026年8月20日)

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 人手不足が続く職場では、仕事のできる人や責任感の強い人に、業務が集中しがちです。急な欠勤が出たとき、代わりに出勤してくれる。予定外の仕事を頼んでも、嫌な顔をせずに引き受けてくれる。難しい仕事も安心して任せられる。上司にとって、このような部下は頼りになる存在です。しかし、「頼みやすいから」「確実にできるから」と仕事を任せ続けていると、抱えきれないほどの仕事を背負わせてしまいます。

 部下が仕事を抱え込むのは、「頼まれごとを断れない」「嫌なことにNOと言えない」という本人の性格だけが原因ではありません。誰が、どれだけの仕事を担当しているのかを把握せず、仕事ができる一部の人を頼り続けてしまう上司のマネジメントにも原因があります。





 私がセブンイレブンのFC店を経営していたとき、出勤日の変更を頼まれると、いつも快く引き受けてくれるアルバイトスタッフがいました。急な欠勤が出たとき、私が代わりの出勤を頼むのも決まってそのスタッフでした。仕事も安心して任せられたので、他のスタッフより多くの仕事を振っていました。そうした状況が数カ月続いたある日、そのスタッフは退職届ときれいに洗濯されたユニフォームを事務所の机に置き、何も言わずに辞めていきました。

 真面目で責任感の強い人ほど、「これ以上はできません」とは言えないものです。自分のキャパシティを超えていたとしも周囲に助けを求めず、心身の健康を崩し、働けなくなるケースもあります。

 上司が「困ったら相談して」と伝えているだけでは、こうした抱え込みを防ぐことはできません。悩みや問題があっても、「自分で解決できないと思われたくない」「相談すれば評価が下がるかもしれない」と考え、自分からは言い出せない部下が少なくないからです。


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●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛企業づくり』のノウハウを提供している。『リーダーの任せる技術』(あさ出版)、『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/
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