「桑山さん、話が長いって言われるんです。どうしたらいいですか?」
研修の休憩時間に、よくいただく相談です。実はこれ、私も芸人時代に散々言われました。コントグループのネタ会議で、私の台本説明が長すぎて、先輩から「で、何がしたいの?」と遮られるのが常でした(笑)。
話が長くなる人には、大きく分けて2つのタイプがあります。
�仝�切り発車の人
結論が決まらないまましゃべり出して、走りながら着地点を探すタイプ
��不安で足す人
ちゃんと伝わっているか心配で、補足に補足を重ねてしまうタイプ
皆さんはどちらのタイプでしょうか?
「両方です」という方も、ご安心ください。私がそうでしたから。処方箋はどちらも同じです。キーワードは【ひとことで言うと】。この7文字を、話の頭につけるだけです。
相手が質問しやすい状態を作る
見切り発車の人は、しゃべり出す前に、いや、しゃべり出してしまった後でも構いません。「ひとことで言うと…」と声に出してみてください。不思議なもので、この言葉を口にした瞬間、脳が勝手に要約を始めます。
芸人時代の先輩との雑談では、先輩が必ず「で、ひとことで言うと何?」と聞いてきました。いま思えば、あれが1分で要点を伝える訓練だったのでしょう。
不安で足す人には、同じように「ひとことで言うと…」を話の頭でつけることと、もう1つやっていただきたいことがあります。「ひとことで言うと」の後を足さず、ひとことで相手に返すことです。
上司への報告を例に考えてみましょう。
<改善前>
部下「A社さんの件ですが、担当の方が変わられて、引き継ぎがうまくいっていないみたいで、送った資料も見ていないと言われて、で、納期の話をしようと思ったんですけど…」
上司「…何が言いたいんですか?」
なんだか、話が回りくどい感じがしませんか?
これを「ひとことで言うと」を頭につけて、ひとことで伝えると、相手から返しがあり、下記のような会話になると思います。
<改善後>
部下「ひとことで言うと、A社の納期がずれそうです」
上司「どれくらいですか?」
部下「1週間です。担当交代で引き継ぎが漏れていました」
足りない情報は相手が聞いてくれるので、後から付け足せばいいのです。説明を補足しすぎると、相手は質問しにくくなります。逆に、細部をあえて伝えなければ、相手は気になる点を自分から聞いてきます。つまり、説明を増やすのではなく、相手が質問しやすい状態を作るということです。そのためには、まず要点を先に伝えます。相手は要点が分かれば、細かい点を聞けます。一方、前置きが長いと「結局、何が言いたいのか?」が気になり、肝心の話が伝わりにくくなります。
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●文/桑山元(くわやま げん)
研修講師・お笑い芸人・俳優。早稲田大学教育学部を卒業後、大手損保会社に入社。新入社員代表として答辞を務める。入社2年目に資産運用担当者として1,000億円を運用。その後、メインバンク本店担当部署で法人営業を経験。同社を退社後、声優養成所を経て、時事ネタを得意とするコントグループ「ザ・ニュースペーパー」に19年間所属。2022年に退団し、芸人と研修講師の二刀流で活動スタート。会社員時代に培ったビジネススキル、お笑い芸人として磨いたコミュニケーションスキルとアドリブ力などを武器に、企業や自治体などで数多くの研修を実施。メディア出演・掲載実績多数。著書に『すぐ使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術』(日本実業出版社)。キャリアコンサルタント(国家資格)、損保代理店資格(特級・一般)、ニュース時事能力検定(準2級)。