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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
親として、子供が引きこもりになるとは思ってもみないことだ。ある日、子供が学校や会社に行かなくなったとする。心配しているうちに時間が過ぎ、やがて、その子供が中高年になるとは想像すらできない。
Kさんの悩み
大手企業で要職に就くKさんは、家に引きこもっている息子のことで悩んでいる。「最近そのことばかり考えてしまい、仕事に集中できません。育て方が悪かったのでしょうか?」と言う。
息子の悠也は21歳で、3年ほど前から家に引きこもっている。大学に入った当初、悠也は学校の近くで1人暮らしをしていた。半年ほどたったころから学校に行かなくなり、実家に戻った。今は家でテレビを見たり、音楽を聞いたり、ゲームをして暮らしている。
悠也に会ってみると、彼は「女性を暴行したい。そればかり考えている」と言った。実現について真剣に考えており、人生の目標になっているとも語った。
こんな人生の目標があるとは、父親はまったく知らなかった。父親には話さないという約束で、語ってくれたことだった。彼は、毎日暴行のことを考え、夢にまで見ていた。暴行は犯罪だと認識しているが、衝動は増すばかりだった。
父親と母親
悠也はよく父親と一緒にコンサートに行く。誘うのは父親で、悠也が以前「音楽プロデューサーになりたい」と語っていたからだ。彼の表の人生の目標である。父親は、自分にしてやれることはそのくらいだと思い込んでいた。
父親は有名私立大学を卒業し、有名企業に就職したいわゆるエリートだった。母親は父親と同じ大学を卒業し、国家公務員になった。両親とも裕福な家庭で育ち、ごく普通に成長してきた。だから、悠也が引きこもりになったことは心配だが、理解できなかった。
両親は共働きで、悠也のことは祖母にまかせっきりだった。両親ともに、その負い目もあり、なかなか本心から接することができないでいた。
無気力な息子
悠也は、大学に入る前からうつ状態だった。何をしても楽しめず、友人もいないので、自宅でゲームばかりしていた。大学に入っても友人はできなかった。すぐに通学がイヤになり、1人暮らしも負担だった。
また、悠也は子供のころから本気で笑ったことがなかった。両親を見ても、そんなに楽しそうでもないからだ。だから将来、両親のようにはなりたくないと思っていた。しかし、その反面、エリートの両親にコンプレックスを感じていた。祖母には、祖父から受け継いだ財産があるので、将来はそれをもらって生きていけばいい、そんな調子のいい考えを持っていた。
そんなある日、祖母が転んでけがをした。それから祖母は体の自由がききづらくなり、悠也が世話をするようになった。そのおかけで、両親は安心して仕事に出ることができたが、彼はまったく外出しなくなってしまった。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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