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知識ゼロからのDX入門/渋屋隆一

第7回「DXが、なぜ求められるのか?」

近年、注目されているデジタルトランスフォーメーション(DX)について、言葉の定義から企業としての取り組み方まで、わかりやすく解説します。(2021年10月5日)

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 「人・組織・制度などを含めたビジネスモデルを、デジタルの時代に合わせて再設計すること」がビジネスにおけるDXと考えてよいでしょう。単なる技術の問題ではないので、経営者の強いリーダーシップが求められます。
 では、あらためて、なぜDXが求められるのでしょうか? 社会背景と市場の変化から考えていきたいと思います。

 

 

 

 

VUCAの時代

 

 現代はVUCAの時代と言われています。2016年ダボス会議で使われ、注目された言葉です。Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの頭文字を取ったもので、現代の変化が激しく、不確実な世界情勢を表しています。元々は1990年代に生まれた米国の軍事用語ですが、2010年代、経営・マネジメントの文脈で使われるようになりました。

 

 

 

 

・Volatility(変動性)
 テクノロジーの進化、特にインターネットの発展によって、情報伝達が速くなりました。それによって、社会常識の変化、価値観や社会の仕組みなどが猛烈なスピードで変化しています。

 

・Uncertainty(不確実性)
 イギリスのEU離脱や米中貿易戦、民族間紛争など、さまざまなリスクは高まるばかりです。

 

・Complexity(複雑性)
 地球温暖化、海洋汚染、人権問題など、1つの企業・国だけでは解決できない問題が増えています。

 

・Ambiguity(曖昧性)
 価値観の多様性が進み、因果関係が不明確な出来事など、過去の実績や成功例に基づいた方法が通用しなくなりました。

 

 このうち、テクノロジーの進化について補足します。

 

 

 

 

上図はコチラから引用

 

 

 新技術が生まれてから5,000万人に浸透するまでの時間は、自動車で62年、電話で50年かかっていました。しかし、インターネットは7年、Twitterは2年、そしてポケモンGoは、なんと19日です。新しい技術が人々に浸透するスピードが速くなった結果、その次の技術が開発され、浸透するスピードがさらに速くなる。そういう循環に入っています。

 

 まとめると、社会環境が複雑になり、将来の予測が困難な状況となっています。企業としては、このような予測不可能な変化に対し、俊敏に対処できるスピードを獲得する必要があります。そのための手段がデジタルトランスフォーメーション(DX)なのです。

 

 

>>>次ページにつづく

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につづく

 


●文/渋屋隆一(しぶや りゅういち)
中小企業診断士、情報処理技術者。大学卒業後、IT企業にてエンジニア・商品企画を担当。2015年独立。ITとデータを活用した「売れ続ける仕組みづくり」「業務改善」「働き方改革」を得意としている。コンサルティングや研修・セミナーを通じて、中小企業の経営支援を行う。著書に『コレ1枚でわかる最新ITトレンド』(技術評論社)、『社長はデータをこう活かせ!』(日本実業出版社)など。
Webサイト: https://100athlon.com

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