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実務で役立つ労働法/田代英治

第22回 時間外労働の上限規制(2)

労働関連法で実務に直結した部分をクローズアップし、分かりにくい点や対応策などを解説します。(2019年1月9日)

 今回は、36協定締結時の運用上の留意事項について整理します。施行日は2019年4月1日です(中小企業への上限規制の適用は2020年4月1日)。

 

(1)指針に見る労働時間の規制方向

 厚生労働大臣は、時間外労働に関する新たな指針を策定します。指針では、「36協定を締結する労使は、労働時間の延長や休日労働を決めるに当り、指針に適合するように協議しなければならない」とされ、留意すべき事項として以下のような内容を規定します。(一部抜粋)

 

 

 

<参考>同指針に関するリーフレット(厚労省)

 

 

(2)今後締結する36協定の期間

 実務上、時間外労働の上限規制は、改正法の施行日である2019年4月以降に係る36協定に適用されるのかという素朴な疑問があります。これについては経過措置により、2019年3月31日を含む期間を定める36協定については、協定の初日から1年を経過する日までの間は、現行の限度基準が適用されます。

 

 例えば、2019年1月1日から期間1年の36協定を締結した場合でも、2019年12月31日までは現行の限度基準が適用されます。つまり、2019年4月1日以降に、新たに36協定の締結する場合に、改正法による時間外労働の上限規制が適用されることになります。

 


 

 

●文/田代英治(たしろ えいじ)
社会保険労務士。株式会社田代コンサルティング代表取締役。神戸大学経営学部卒。企業の人事制度の構築や運用、人材教育などに取り組む。著書に「人事部ガイド」(労働開発研究会)、専門誌への寄稿など執筆実績多数。
http://tashiro-sr.com/

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