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マネジャーの仕事〜チームが機能するヒント〜/田中和彦

第34回「情報共有できている組織ほど、業績は上がる」

人材育成や評価、意思決定など、マネジャーにはさまざまな役割が求められます。マネジャーに必要な視点や考え方、心の持ち方などについて考察します。(2024年1月25日)

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うまいやり方を共有することが、成長の基本法則

 今回のコラムでは、情報共有の重要性と、どうすれば情報共有がうまくいくのかについて考えていきたいと思います。

 本題に入る前に、次の言葉をお読みください。
「うまくやっている人は、なぜうまくやれているか? それは、うまくやれるようにやっているからだ。ダメになる人は、なぜダメになっているのか?  それは、ダメになるようにやっているからだ」

 さて、みなさん、どんな感想を持ちましたか?
 実は、パナソニックの創業者である松下幸之助さんの言葉なんですね。すごく奥の深い言葉だと私は思っているのですが、そのへんの普通のオジサンが話していたとしたら、「あんた、いったい何が言いたいの?」って感じに受け止められるような言葉かもしれませんね(笑)。

 私はこんな風に解釈しています。
 成功する人やうまくやれる人は、うまくいくような成功の原理原則にのっとって行動しているということです。例えば、「時間に厳しい」「約束は必ず守る」「信頼関係を何より重視する」「感謝の言葉を忘れない」などが、ビジネスの原理原則ということになるでしょうか。

 反対に、我流・自己流・マイウェイという独自のやり方にこだわる人は、ある程度のところまではうまくやれても、途中で伸びが止まってしまうことがあります。「成功や成長に、奇手はなし」という言葉もあります。成果を出している人は、やはり成果の出るような行動をしているということです。





 人を成長させる一番の方法は、うまくいっている人の行動を徹底的に分析させ(具体的にその行動を細かく分解していくということです)、そのまねをさせることだといわれています。そういう点では、まねや模倣というのは、成長のための基本法則、つまり正攻法のやり方なのです。

 情報共有の重要性は、「うまいやり方がまねできる(と同時に、ダメなやり方を避けることもできる)」ことだと言ってもいいでしょう。


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●文/田中和彦(たなか かずひこ)
株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。
連絡先:info@planet-5.com
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