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応募者を見極める選考基準の新常識/奥山典昭

第5回「発言量で、重要な能力を測ることはできない」

採用選考の常識や通念はアップデートされずに根付いているものが多く、合理性を伴わないものも少なくありません。既成概念から脱し、自社に必要な人を採用するための、新しい考え方や知識を解説します。(2024年2月13日)

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「頭の良さ」と「熱量」を見極めることの重要性

 採用選考の現場では、応募者の「頭の良さ」と「熱量」を見極めようとする努力が求められます。「頭の良さ」と言っても、学力秀才のことではありません。業務上の知識や作業の手順などを覚え、経験知を拡充させるためには、確かに学力的情報処理力が必要です。

 でも、不確実性が高まり続ける今の時代において求められるのは、未知の場面でも自分の頭で考え、自分で動ける人であり、それができる人には必ず高い思考力が備わっています。生産性の高い人材を獲得しようとするならば、採用選考時の評価基準は、思考力に集約されなければいけません。





 また、「熱量が高い」と言っても、ただ「元気がいい」ということではありません。組織で働く人には、与えられたミッションや前提を常に意識に留め置いて、高位に安定したエネルギーを投入することが求められます。利他的に熱量を高めることができず、自分の興味のままに好き勝手に動いたのでは、たとえその人に思考力があっても、業務上の生産性にはつながりません。「熱量」は、利他性を支える持続力や責任感に直結する重要な概念なのです。


発言至上主義に支配される採用現場

 このような「頭の良さ」と「熱量の高さ」を採用選考で見極めるのは、決して容易なことではありません。学力を思考力と誤認してしまったり、瞬間的な見せかけの活力から勝手に持続性をイメージしてしまったりすることが多いからです。
 そんなことになってしまうのは、「頭の良い人は発言量が多い」や「発言量だけが熱量を測るモノサシである」のような「発言量至上主義」に凝り固まった古い通念が、採用現場に根付いてしまっているからではないでしょうか。

 今、新卒採用を行う会社の多くでグループ討議やグループワークが実施されていますが、そこでは、ほぼ例外なくたくさんしゃべった人が合格するようです。また、採用面接では、「饒舌だったから通した」「沈黙が生まれたから落とした」などと言う評価が堂々とまかり通っています。発言量の多さから短絡的に「頭の良さ」や「熱量の高さ」をイメージされているのでしょう。

 しかしながら、アセスメントの現場で、目立って発言量の多い人が思考力や利他的な熱量を評価されることは、ほとんどありません。見栄えが良く分かりやすい情報に安易に飛びついて、「なぜそうなるのか?」を考えようとしない経営者や採用関係者がまだまだ多いことを、とても残念に思います。
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●文/奥山典昭(おくやま のりあき)
概念化能力開発研究所株式会社代表、組織再編支援コンサルタント、プロフェッショナルアセッサー
大学卒業後、商社での海外駐在、大手電機メーカー、人事系コンサルティング会社などを経て、1999年に概念化能力開発研究所株式会社を設立。人の能力や資質を数値化して客観的に適性を評価する人材アセスメントと、組織に必要な人物像を抽出する採用アセスメントを駆使し、企業の組織再編や採用活動を支援。現在、応募者の本質を見抜くノウハウを企業の経営者や採用担当者に伝える採用アセスメントの内製化支援に注力している。著書に『デキる部下だと期待したのになぜいつも裏切られるのか』(共著・ダイヤモンド社)、『間違いだらけの優秀な人材選び』(こう書房)、『採るべき人 採ってはいけない人』(秀和システム)、『採るべき人採ってはいけない人第2版』(秀和システム)
https://conceptual-labo.co.jp
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