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判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

社員の経歴詐称が発覚したら〜M社事件(東京地裁H22.11.10、労判1019号13頁)〜

近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点やトラブル予防のポイントなどを解説します。(2026年3月24日)

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【事案の概要】
 本件は、被告会社(労働者派遣事業等を目的とする会社)に採用された原告(営業業務に従事)が、経歴詐称を理由に懲戒解雇された事案です。

 原告は採用面接に際し、米国で経営コンサルタント業務に従事していた旨を記載した略歴書を提出しました。被告会社はコンサルタントとしての実績や経験を高く評価し、原告を採用しました。しかし、実際にはその期間中、原告は名誉毀損罪等により、実刑判決を受けて服役しており、出所からわずか4カ月しか経過していませんでした。被告会社は、これらの経歴詐称が就業規則上の「重要な経歴をいつわり採用された場合」に該当するとして、原告を懲戒解雇しました。





【裁判所の判断】
 裁判所は、採用時における真実告知義務の範囲と、経歴詐称による懲戒解雇の有効性について判断を示しました。

(1)真実を告知すべき義務について
 まず、雇用関係は労働力の給付を中核としながらも、相互の信頼関係に基礎を置く「継続的な契約関係である」と言える、としました。そして、使用者が労働力評価や企業秩序の維持に関係する事項について、必要かつ合理的な範囲内で申告を求めた場合、労働者は信義則上、「真実を告知すべき義務を負う」と判示しました。

(2)「重要な経歴をいつわり採用された場合」に該当するか
 原告が服役等を秘し、「米国でコンサルタント業務に従事していた」と虚偽の申告をしたため、被告会社はその点を重視して採用した、としました。もし真実を知っていれば、これに基づいて原告の労働力や信用性を評価し、企業秩序に対する影響等を考慮して雇用契約を締結しなかったであろうと認められ、かつ、客観的に見ても、そのように認めるのが相当とし、「重大な経歴をいつわり採用された」といえ、「懲戒事由が認められる」としました。

(3)解雇権濫用の有無について
 本件の経歴詐称は単に服役の事実を秘匿しただけでなく、本来は服役中であった期間について「海外で専門的なコンサルタント業務に従事していた」という虚偽の経歴を積極的に作出しており、「悪質である」と判断されました。
 以上の点に加え、被告会社は解雇に至るまでに原告に弁明の機会を与え、自主退職の機会も提示するなどの手続きを行っていることも考慮されました。裁判所は、本件解雇には客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であるとして、解雇権を濫用したものとはいえず「有効である」と判断しました。
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●文/岡正俊(おか まさとし)
弁護士、杜若経営法律事務所代表。1999年司法試験合格、2001年弁護士登録(第一東京弁護士会)。専門は企業法務で、使用者側の労働事件を数多く取り扱っている。使用者側の労働事件を扱う弁護士団体・経営法曹会議会員。
https://www.labor-management.net/
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