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人事のための「お金」の学び(小橋一輝)

人事が最初に押さえるべき3つの数字

人事の仕事(採用・定着・育成など)は、「会社のお金をどう使うか?」を考えることでもあります。人事に求められる会社のお金に関する知識や考え方を解説します。(2026年4月7日)

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「賃上げできない」は感覚ではなく、構造の問題

 具体的な数字で考えてみましょう。
 売上高1億円、売上原価が6,000万円、粗利が4,000万円の会社で、10人の従業員の人件費合計が2,800万円だとします。この場合の労働分配率は70%です。ここで「1人あたり月額1万円の賃上げ」を実施すると、年間の人件費増加額は10名×12万円で120万円になります。人件費は2,920万円となり、労働分配率は73%に上昇します。

 この会社の業種がサービス業であれば、適正ラインとされる60〜70%の上限に達し、さらなる賃上げの余地は「ほとんどない」ということになります。
 経営者が「賃上げは厳しい」と言うとき、それは意志の問題ではなく、粗利の水準に対して人件費がすでに「限界に近い」という、財務上の構造的な問題を指していることがほとんどです。人事担当者がこの構造を理解しておくことで、「上げたくても上げられない理由」を感覚ではなく数字で把握し、経営者と同じ土俵で議論できるようになります。





財務視点を持てば、人事の仕事は変わる

 労働分配率という1つの指標を把握するだけで、人事担当者の仕事は大きく変わります。採用の場面では「何人採れるか?」だけでなく、「採用した場合に労働分配率はどう変化するか?」という視点で計画を立てられるようになります。賃上げの提案では、「物価が上がっているから」ではなく、「粗利の見通しに基づいて、これだけ原資が確保できる」という根拠を示せます。

 人員整理や業務委託の見直しにおいても、人件費の総量コントロールという発想で選択肢を整理できます。これらはいずれも、経営者が日常的に考えていることと重なります。人事担当者が財務の言語を身につけることは、経営の意思決定に実質的に参画するための第一歩です。


今すぐできる「最初の一歩」

 むずかしい分析を始める前に、今日やるべきことは1つです。経理担当者に直近の決算書(損益計算書)をもらい、「粗利(売上総利益)」と「人件費(給与・賞与+法定福利費)」の2つの数字だけを書き出してみてください。それを割り算するだけで、自社の労働分配率を算出することが可能です。出てきた数字が、自社の業種の目安と比べてどの位置にあるか。それが、あなたの会社の「人件費の現在地」となります。



●文/小橋一輝(こばし かずき)
株式会社Elavis代表取締役、財務・金融コンサルタント、銀行取引アドバイザー
大学卒業後、地方銀行に入行。融資渉外担当として、多種多様な企業の創業から事業承継までのさまざまなステージをサポート。2019年に独立し、元銀行員としての豊富な経験を活かし、企業の資金調達や銀行取引の健全化などを支援。これまでに500社以上の企業、延べ1,000人以上の経営者・起業家・開業医を支援し、財務戦略の最適化をサポート。セミナー登壇・企業研修の実績多数。
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