人の行動には意図がある
この場合、部下は意図なく、2コースを選んだわけではないはずです。例えば、1コースは最短で移動はできるものの、途中に道路工事が行われていて、通行するのに時間が掛かることを知っていて、わざわざ2コースを選んだのかもしれません。ただ、上司、経営者の指示に逆らってまで、自分の思うコースを選ぶ部下は少数派です。新人であればなおさらです。大半が上司、経営者の言われたとおりに行動するものです。
筆者がセブンイレブンのFC店を経営していたとき、弁当の発注業務を任せていたスタッフの発注数が、私の考えている数と異なっていたら、意図を聞かずに数量変更の指示を担当者に出していた時期がありました。時間を掛けて考えて発注しても、私の一声で書き変えられてしまうことが続いた結果、担当者は考えることをやめ、適当な数を発注するようになってしまったという苦い経験があります。
部下の話を聞かずに、自分の思うとおりになるように指示命令を繰り返すと、スタッフはやらされ感を抱いたまま仕事をすることになり、モチベーションは上がりません。下手をすれば辞めてしまいます。
できる上司、経営者は、仕事の目的と目標(ゴール)は一つに定めて部下と共有しますが、そこにたどり着くまでのコース、スピード、方法をどうするのかについては一任します。そうすることで、部下は自分の行動に責任を持つようになり、指示命令をされずとも、自らの意思で仕事に取り組むようになります。

指示命令型のマネジメントをやめるには、部下が仕事の全体像を理解しておくことも必要です。点でしか業務を理解していなければ、目の前の作業が終わったときに、次に何をしなければならないか分からず、次のアクションが起こせません。でも、その先のことも把握していれば、指示命令されずとも自ら次へ進んでいくことができます。
できる上司、経営者は部下が自らの意思で動く環境を作ることが自身の役目であると捉えてマネジメントを行っているのです。
●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛企業づくり』のノウハウを提供している。『リーダーの任せる技術』(あさ出版)、『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/
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