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引き算のマネジメント〜行動を増やさず、結果を出す〜/岡本文宏

質問にはすぐに答えず、問いかける

業績と生産性を同時に高めるために必要な引き算の発想に着目し、やらないことを軸にしたマネジメントについて解説します。(2026年6月18日)

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 先回りが行き過ぎると、本人が自分で考え、判断し、問題を解決する機会を奪ってしまいます。困難を自ら乗り越える経験がないと、その場はスムーズに事が進むかもしれませんが、長い目で見れば、相手の自立を妨げることになります。

 そこで必要なのが、部下からの質問にすぐに答えるのをやめることです。代わりに行うべきは、“問いかけ”です。例えば、スタッフが「これはどうすればいいですか?」と聞いてきたとき、すぐに正解を伝えるのではなく、「あなたは、どうしたらいいと思う?」と投げかけるのです。

 すぐに答えられない場合もあるかもしれませんが、部下が答えを見つけるまで待ちましょう。部下が答えたあと必要であれば、「なぜそう思ったの?」「他に方法はありますか?」「その判断をした場合、どんな影響がありそうですか?」と問いを重ねます。


 部下に任せた仕事を進める中で、重要な局面に出くわしたとき、リスクを避けるために、上司へ判断を委ねようとします。もちろん、本当に上司が判断すべき場面もあります。法律や安全、金銭的な損失に関わることなど、現場任せにしてはいけない判断もあるでしょう。しかし、本人が考え、判断する経験を積むべき場面まで上司が答えを出してしまうと、いつまでたっても仕事は“自分事”にならず、成長も期待できません。

 上司が答えることをSTOPするのは、部下を突き放すためではありません。部下が自分で考え、判断する癖をつけ、自走できるようにするためです。部下から質問されたとき、すぐに答えを出す前に、まず一呼吸置いて、問いかけることを習慣にしていきましょう。そうすることが、部下の依存を減らし、自ら考えて動く人材を育てる第一歩になります。



●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛企業づくり』のノウハウを提供している。『リーダーの任せる技術』(あさ出版)、『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/


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