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労働関連法で実務に直結した部分をクローズアップし、分かりにくい点や対応策などを解説します。(2018年7月4日)
労働者派遣法改正の施行から、平成30年9月30日で3年が経過します。それにあたり、厚労省から労働者派遣が適正に行われるよう、派遣労働者、派遣元、派遣先に対し、あらためて改正法の内容について確認するよう要望がありました。実務運用のポイントを2回にわたって整理します。
<派遣期間の制限ルール>
改正法により、新たな派遣期間の制限が3年となり、平成27年9月30日以降に締結・更新された派遣契約は、すべての業務において「事業所単位」かつ「個人単位」の期間制限が適用されます。ただし「派遣元で無期雇用されている派遣労働者」や「60歳以上の派遣労働者」などは、期間制限の対象外となります。
<派遣先の「事業所単位」の期間制限>
同一の事業所での派遣受け入れは3年が上限です。ただし、派遣期間が終了する1カ月前の日までに、過半数労働組合等(過半数労働者の代表者)の意見を聴くことで3年を限度に延長(再延長する場合も同様)ができます。なお、過半数労働組合等の同意は不要です。意見聴取の方法は次のとおりです。
(1)過半数労働組合等に、書面で「派遣可能期間を延長しようとする事業所および期間」を通知します。併せて、意見を述べるための一定事項をまとめた資料を提供する必要があります。
(2)過半数労働組合等から異議が述べられた場合、派遣先は、延長前の派遣可能期間が経過する前に、派遣可能期間の延長の理由と延長の期間、当該異議への対応方針を説明しなければなりません。
意見聴取した結果は書面にまとめ、派遣期間終了後3年間保存し、その内容を労働者に周知する必要があります。
<派遣労働者の「個人単位」の期間制限>
「事業所単位」の派遣可能期間を延長した場合でも、派遣先の事業所の同一の組織単位(いわゆる「課」など、業務としての類似性や関連性があるもの。組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有するもの)における同一の派遣労働者の受け入れは3年が上限で、異なる「課」などへの異動が必要です。なお、派遣期間中に派遣元を変更した場合も受け入れ期間は通算され、3年が上限となることにも注意しなければなりません。
●文/田代英治(たしろ えいじ)
社会保険労務士。株式会社田代コンサルティング代表取締役。神戸大学経営学部卒。企業の人事制度の構築や運用、人材教育などに取り組む。著書に「人事部ガイド」(労働開発研究会)、専門誌への寄稿など執筆実績多数。
http://tashiro-sr.com/
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