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ココロの座標/河田俊男

第73回「暴君になった男」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2022年4月19日)

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 職場に暴君のように振る舞う人はいないだろうか。彼らは気に入らない人を平気で排除し、パワハラやセクハラなど物ともしない。そんな人が身近にいたら精神的な苦痛を受けるだけでなく、人生までも奪われてしまいかねない。

 

 

人が変わった

 

 45歳の洋二は印刷会社に勤務し、営業部長をしていた。印刷業界はコピー機の普及やIT化の影響で厳しい状況に陥り、新しい事業を模索する中、パソコンに詳しい彼は会社を建て直す役割を担うことになった。洋二が中心となって進めて再建策はうまくいき、その功績が認められて社長になった。従業員は80人程度の中小企業だが、一国一城の主だ。

 

 洋二は古参の役員を適当な理由をつけて排除し、気に入った人だけをそばに置いた。ほかにも公私混同と言えるような人事やハラスメント行為を行い、支配者のように振る舞った。かつては温厚で人あたりのいい性格だったが、変わってしまった。

 

 

 

 

会社を支配する

 

 洋二は人の弱みを見つけて利用した。3人の子供と家のローンも抱えている従業員の給料を上げ、子供にお菓子をプレゼントするなどして懐柔し、リストラの手伝いをさせた。また、従業員同士を相互に監視させた。自分や会社の悪口を吹聴していないか、確かめるためだ。限界まで働くことを求め、過重労働もさせていた。文句を言ったり、反発したり、結果を出さない従業員は退職に追い込んだ。その一方で、大きな仕事を次々に成し遂げ、会社の業績を上げていった。

 

 そんなある冬の寒い朝、洋二は会社のトイレで死んでいた。大動脈溜破裂による突然死だった。彼はいつも朝早く出勤し、その日のスケジュールを考える習慣があった。

 

 

複雑な生い立ち

 

 5人兄弟の3番目に生まれた洋二は父親から虐待を受けたことで、誰も信頼できない人間に育った。学校を卒業して会社に就職すると、友人から紹介された女性と結婚し、子供ができた。だが、育てるのが面倒なので家に帰らなくなり、離婚した。

 

 社長になってからは性的な能力を高める薬を多用し、複数の外国人女性と関係を持っていた。胸部大動脈の破裂の原因には、薬物が影響している可能性があった。彼は、日本語がうまく話せない外国人女性を好んだ。会社では暴君だが、彼女たちの前では子供のように振る舞っていた。

 

 

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につづく

 


●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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