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シゴトの風景

第13回「会社を見限った日」

会社を信じられなくなったことはありますか? 今回は、転職活動をしている29歳女性の事例です。

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●福山怜さん(仮名・29歳・正社員)


 福山怜さんは新卒で入った今の会社で6年目を迎えた。だが、次の仕事が決まれば、すぐにでも辞めるつもりだ。辞めたい理由は、会社を信じられなくなったからだ。きっかけは半年前の人事である。

「同僚の女性が違う部門に異動になりました。彼女は販売促進キャンペーンを主体的に進め、目標も達成しました。これまでそうした業績を上げた人には、昇給などの評価がありました。でも、彼女は特にそういうこともなく、異動になったのです。理由は他部門で人が辞めることになり、その増員ということでした」

 清掃用品を取り扱う企業で、福山さんは営業事務をしている。仕事内容は商品の受発注業務や営業のサポートなどだ。異動になった同僚女性は2年前に転職してきた。女性に仕事を教えたのが福山さんだった。

「彼女は私より年上でしたが、気が合ったのでプライベートでも飲みに行ったり、遊んだりしていました。仕事は少し不器用な面があって、よく上司に怒られていました。異動の本当の理由はそれだと思っています」

 福山さんは女性から、上司とそりが合わないことを相談されたこともあったという。

「彼女にも悪いところはあります。それに、合わないのはお互いの性格的なこともあるので、難しい問題だと思いました」

 新卒で入社した福山さんが最初に配属されたのは人事部だった。今の営業部には、入社2年目で異動になった。初めて異動の話があったとき、福山さんは断ったという。

「ある日、上司から営業事務で増員を考えているという話を聞きました。それで、やってみる気があるかどうか、聞かれました。当時の私は営業事務よりも人事の仕事に興味をもっていたので、今の仕事を続けたいと伝えました」

 それから1カ月後、福山さんは再び上司に呼ばれた。

「その席で上司は、営業事務への異動の話をもう一度しました。私は人事の仕事にやりがいを感じていたので、涙ながらに“今の仕事を続けさせてほしい”と訴えました」

 当時、福山さんは仕事でミスを繰り返していた。FAXの送信間違いや書類の誤字脱字から、会社説明会で学生に話をするときに頭が真っ白になって何も話せなくなるなど、あげればきりがなかった。

「異動のことは頭では理解していました。会社が私の適性を考えて判断したことですし、自分を認めてもらうためにはそれなりの成果を出さないといけません。ただ、気持ちがついていかないという感じでした。1年たって仕事に慣れてきたというのもありましたし、ミスも以前に比べれば少なくなっていました。それまでみなさんの足を引っ張ってきたので、力になりたいという思いもありました」



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●取材・文/三宅航太
株式会社アイデム人と仕事研究所 研究員。大学卒業後、出版社の営業・編集、編集プロダクション勤務を経て、2004年に株式会社アイデム入社。同社がWEBで発信するビジネスやマネジメントなどに役立つ情報記事の編集業務に従事する。人事労務関連ニュースなどの記事作成や数多くの企業ならびに働く人を取材。

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