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事例で考える困ったときのマネジメント対応/山田真由子

第11回「不用意な情報提供でクレームに〜介護施設トラブル〜」

働き方や価値観が多様化する中、マネジメントは個別対応が求められています。さまざまな事例から、マネジャーに求められる対応を解説します。(2025年2月21日)

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 介護現場では、職員の一言が利用者やその家族との信頼関係に大きな影響を及ぼすことがあります。不用意な情報提供が原因でトラブルが発生した場合、上司の適切な対応が事態収拾の鍵となります。今回は、近隣住民への情報提供が問題になった事例を取り上げ、上司として「どのように対応すべきか?」、解決のポイントと再発防止策を考えます。


■今回の事例
 介護施設で生活する利用者Aさん(85歳)について、近隣の住民Bさん(65歳)は散歩中に顔見知りの介護士Cさん(30歳)に会ったので、Aさんの様子を聞きました。Cさんは、Aさんが生活している介護施設で働いています。

Bさん「Aさん、最近元気にしてる?」
Cさん「最近、コロナにかかって体調を崩していて、熱があったり食欲が落ちたりしてるんです。でも、今は少し回復してきましたよ」

 この会話をBさんが周囲に話したことで、Aさんの息子(55歳)の耳に入り、「どうして他人が母の体調を知っているのか?」と施設にクレームの電話がありました。このようなケースにおいて、Cさんの上司であるDさん(40歳)は、どのように対応すればよいのでしょうか。





■解説

迅速な初期対応

 まず、Dさんは事実確認を迅速に行う必要があります。Cさんから直接事情を聞き取り、Bさんに「どのように話をしたのか」、会話の内容や意図を詳しく把握します。同時に、Bさんが話した情報が「どこまで広がったのか」を確認し、影響範囲を見極めます。

 次に、Aさんの息子さんに直接謝罪し、今回の件について誠実に説明します。ご家族に対して、利用者のプライバシーが守られなかったことへの反省を述べるとともに、施設全体として守秘義務を再確認し、再発防止策を講じることを約束することが重要です。また、Aさん本人に対しても、今回の件で不安や不快感がないかを確認し、必要に応じて精神的なケアを行い、安心感を提供しましょう。


内部の問題解決

 Dさんは、Cさんに対して守秘義務や個人情報保護の重要性を、あらためて指導する必要があります。利用者や家族の情報を第三者に話すことが「どれほどリスクを伴うか」について具体例を挙げて説明し、Cさんが深く理解することを目指します。また、同様の状況で適切に対応できるよう、具体的な回答例を共有します。

 例えば、家族ではない利用者の方の様子を聞かれたら「プライバシーに関わるので詳しいことはお答えできませんが、施設でしっかりと対応しておりますのでご安心ください」といった模範回答を準備し、職員が臨機応変に対応できるようにします。また、職員が情報を漏らしてしまった場合、速やかに上司に報告する体制を整える必要もあります。この事例を他の職員にも共有し、守秘義務や情報管理の重要性について施設全体で教育を強化することで、組織全体の対応力を向上させます。
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●文/山田真由子(やまだ まゆこ)
山田真由子社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士、公認心理師、キャリアコンサルタント。26歳のときに3度目の受験で社会保険労務士に合格。さまざまな業種にわたり、約15年のOL 生活を経て、2006年12月に独立開業。現在、「誰もが輝く職場づくりをサポートする」をミッションとして活動している。経営者や総務部担当者などから受けた相談件数は延べ10,000件以上、セミナー登壇は1,500回以上を数える。著書に『外国人労働者の雇い方完全マニュアル』(C&R研究所)、『会社で泣き寝入りしないハラスメント防衛マニュアル部長、それってパワハラですよ』(徳間書店)、『すぐに使える!はじめて上司の対応ツール』(税務経理協会)。
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