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高校生に接待させた疑いで、コンカフェ経営者が送検〜18歳未満に働いてもらうときのルール〜

人事労務関連のニュースから、注目しておきたいものをピックアップしてお伝えします。(2025年5月20日）

高校生に接待させた疑い

　警視庁が、東京・新宿のコンセプトカフェ（目的やコンセプトが決まったカフェなどの飲食店のこと。猫カフェ、メイドカフェなど）の経営者と店長を書類送検※したというニュースがありました。店で雇っていた女子高生に、18歳未満と知りながら客の接待をさせたという風営法違反の容疑です。経営者は無許可営業の疑いで逮捕されており、追送検です。

※書類送検とは、警察が逮捕していない被疑者（犯罪の疑いのある人）の事件記録や捜査資料を検察庁に送る法的手続きのこと。逮捕は、犯罪があったときに警察が被疑者の身柄を拘束する法的手続き

　風営法（風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律）とは、風俗営業に関するルールを定めたもので、目的は周辺環境や子どもの健全な育成に悪影響を及ぼさないようにするためです。風俗営業には、客に飲食や遊興をさせて接待するもの（キャバクラ、ショーパブ、ホストクラブなど）や、射幸心をそそるおそれのある遊技をさせるもの（麻雀店、パチンコ店、ゲームセンターなど）があります。

　例えば、店員が客の隣に座って、談笑したり、酒等の飲食物を提供したりする行為（法的表現では「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」）は、風営法の許可が必要です。





18歳未満の労働

　風営法は18歳未満の労働を禁止していますが、労働基準法でも18歳未満の労働についてさまざまなルールを定めています。労働基準法は、18歳未満を2つに分けています。

・年少者：満18歳未満
・児童：中学生以下（満15歳に達した日以後、最初の3月31日が終了するまで）

　年少者とは、高校生などの満18歳未満の人のことですが、学校に通っているかどうかは関係ありません。法律で定義しているのは年齢だけです。年少者に働いてもらうときにも、基本的には一般の労働者に働いてもらうときと同じ対応が必要です。労働条件を明示することや賃金を直接本人に支払わなければならないこと、最低賃金を下回ってはならないことなどです。

　児童は、原則として働かせることはできません。ですが、例外的に可能な場合があります。満13歳以上の児童は非工業的業種（製造業、鉱業、土木建築業、運送業、貨物取扱業以外の事業など）に限り、�〃鮃�及び福祉に有害でないこと、�∀�働が軽易であること、��修学時間外に使用すること、�そ螻輜�働基準監督署長の許可を得ることなどにより、働くことができます。また、満13歳未満の児童は映画制作や演劇の事業に限り、�　銑い両魴錣鯔�たした上で働けます（アイドルやタレントなどが当てはまる）。


違反したら罰金

　年少者を雇用するときの最大の注意点は、年齢確認です。本人の申告だけでなく、運転免許証や戸籍謄本といった公的な資料を確認したり、紹介者や保護者と会ったりするなど、客観的な証明を求める必要があります。そうした確認をとらず、本人が年齢を偽っていたことが発覚した場合、罪に問われる可能性があります。

　また、契約を締結できるのは本人だけですが、親権者や後見人が「不利な契約である」と判断したら「本人の意思に反した」として解除できます。親権者や後見人の同意を得ることが望ましいでしょう。学校に通っている年少者を雇い入れる場合、学校によっては校則でアルバイトを禁止していたり、事前に許可を得るようにしていたりすることがあるので、こちらも確認したほうがいいと言えます。その他、年少者の労働で主に禁止されていることは以下のようになります。

＜年少者に禁止されていること＞
・残業や休日労働（仮に合意があっても認められない）
・原則として 午後10時から翌日午前5時までの深夜時間帯の労働
・坑内労働や重量物を取り扱う業務、福祉上有害な業務など

　18歳未満の労働について定められたルールを違反した場合、30万円以下の罰金となる可能性があります。


※参考


●文／三宅航太
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部 データリサーチチーム所属。
大学卒業後、出版社に入社。書店営業部を経て、編集部に異動。書籍の企画・制作・進行・ライティングなど、編集業務全般に従事する。同社を退社後、フリーランス編集者、編集プロダクション勤務を経て、株式会社アイデム入社。同社がWebサイトで発信する人の「採用・定着・戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務を担う。働き方に関するニュースの考察や労働法の解説、取材、企業事例など、さまざまな記事コンテンツを作成している。

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