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人材育成のツボ

経営戦略の新常識? ウェルビーイングで離職防止と生産性向上

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2026年1月15日)

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 最近、「ウェルビーイング(Well-being)」という言葉を耳にする機会が増えています。ウェルビーイングとは、直訳すると「良好な状態」「幸福」。単なる健康状態だけでなく、心・体・社会的なつながりを含めた、総合的な満足感や生きやすさを指す概念です。


なぜ今、ウェルビーイングが注目されているのか?

 背景にあるのは、働き方や価値観の大きな変化です。長時間労働や慢性的なストレスが問題視される中で、「成果を出し続けるためには、働く人が心身ともに健やかであることが不可欠」という認識が広がってきました。さらに、SDGsや人的資本開示の流れにより、企業は「人をどう育て、どう守っているか?」を社会に示す時代に入っています。
 今や、従業員の幸せを支えることは、福利厚生の一環ではなく、組織の成果に直結する経営課題です。ウェルビーイングは、個人の幸せと企業の成長をつなぐキーワードと言えるでしょう。





ウェルビーイングを構成する5つの要素

 ウェルビーイングは、ひとつの要素だけで成り立つものではありません。米Gallup社(国際的な世論調査・コンサルティングを行っている)は、以下の5つの要素を提唱しています。

・Career Well-Being(職業的):仕事に意義を感じ、前向きに取り組めている状態
・Social Well-Being(社会的):良好な人間関係が築けている状態
・Financial Well-Being(経済的):経済的な安定があり、将来への不安が少ない状態
・Physical Well-Being(身体的):健康で、エネルギーを持って生活できている状態
・Community Well-Being(地域・社会):地域や社会とのつながりを感じられる状態

 
この中でも、企業の研修や取り組みとして成果につながりやすいのが、職業的・社会的・身体的ウェルビーイングです。


身体的ウェルビーイングは、すべての土台

 
どれだけやりがいのある仕事があっても、体が整っていなければ、心も仕事も長く続きません。睡眠・食事・運動といった基本的な生活習慣が乱れると、集中力や判断力、感情の安定にも影響を及ぼします。

 私自身、前職で立ち仕事をしていた際、腰に強い痛みを抱えていました。前かがみになる動作ひとつにも慎重になり、痛みを避けるために息を止めて動いていたことを今でも覚えています。針金の入ったコルセットを巻いて仕事をしていた時期もありました。この経験から、体の不調はそのまま仕事のパフォーマンス低下につながることを、身をもって実感しました。

 実際、昭和医科大学医学部による調査では、3人に1人以上が健康問題によって仕事の生産性に影響を受けていると報告されています。特に腰痛の影響は大きく、年間の生産性損失は従業員1,000人あたり約6,500万円にのぼると試算しています。


現場で起きている「ケアできない」問題

 多くの不調は、「分かっていても対処できない」ことから悪化します。ファイテン株式会社が実施した「立ち仕事による身体の痛みとケアに関する実態調査」では、次のような声が多く挙げられています。

・痛みを感じても、その場でケアできない
・一時的に楽になっても、すぐに元に戻ってしまう
・自分に合った方法が分からない

 背景には、業務の忙しさや子育てなど、「自分のケアに時間を割けない現実」があるのではないでしょうか。
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●文/林原菜美(はやしはら なみ)
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部キャリア開発支援チーム 人材育成・研修プランナー
大学卒業後、航空会社にて地上係員として航空保安・お客様対応に従事し、社内教育・指導を務める。その後株式会社アイデムに入社。西日本事業本部にて、企業・商業施設の研修企画を行い、お客様が抱える課題に向き合っている。
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