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ビジネスで使える心理学/菊原智明

【第22回】私は特別な存在と思わせる「バーナム効果」

商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。

バーナム効果とは?

 バーナム効果とはあいまいで一般的な表現でも、自分だけに当てはまることとして捉えてしまう現象のことです。あるいは自分にとって肯定的な情報や意見を信じてしまう心理現象のことを言います。


●解説

 朝のニュース番組では「今日の占い」というのをやっています。例えばあなたがA型でさそり座だとします。ある番組の血液型占いでは「A型の人は、今日は鬼門。行動に気をつけて」という悪い結果です。一方、別の番組の星座占いでは「今日のさそり座は絶好調、何をやってもうまく行く日です」という素晴らしい結果が出ました。

 さて、あなたはどちらを信じるでしょうか?

 ほとんどの人はいい占いを信じるのではないでしょうか。このように肯定的な情報を信じやすいことをバーナム効果と言います。
 占い師はこのバーナム効果を上手に利用しています。占い師は尋ねてきた人に対し、「迷っていることや悩みがありますね?」と聞きます。

 誰でも迷いや悩みは持っています。そもそも迷いや悩みがない人は占い師の前には現れません。しかし言われた方は《なんで私の心の中が分かるのかしら》と思うのです。
 バーナム効果は、接客や商談で利用できます。私は住宅営業をしていましたから、お客さまとお会いするのは主に住宅展示場です。展示場にご来店いただいたお客さまに次のような質問をします。

「今のお住まいに悩みはありますか?」

 この質問をすると先ほどの占い師の話ではありませんが、《どうして私のことが分かるのだろう》とお客さまは思うのです。住宅展示場に足を運ばれるお客さまは間違いなく今の住まいに問題を抱えています。そんなお客さまに「今のお住まいにお悩みは?」と聞けば、いろいろ答えてくれます。

「とにかく狭くてね」「子供が部屋を欲しがっていまして」「水回りが古くなったのです」などなど。営業マンにとってお客さまの悩みを知ることはとても大切です。

 また「お悩みは?」という漠然とした質問ではなく、具体的な質問も効果的です。「水回りが使いにくくなっていませんか?」とピンポイントで聞くのです。たいていのお客さまは収納や水回りの使いづらさに悩んでいます。具体例をあげると、答えてくれる確率は高くなります。

 たとえ、そういった悩みがなくても「収納には困っていませんが、床の沈みが気になってきまして」というお話を聞けることもあります。具体的な質問は、お客さまが話してくださるきっかけになるでしょう。





菊原智明●営業コンサルタント。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。「口ベタ」「あがり症」に悩み、7年間、苦しい営業マン時代を過ごす。その後、それまでの営業活動の間違いに気づいてやり方を大きく変えたところ、成績がみるみる上がり4年連続トップ営業マンに。自分と同じように営業に悩んでいる人たちをサポートしたいとの思いから、2006年に独立。著者に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(明日香出版社)、『面接ではウソをつけ』(星海社新書)など多数。 
http://www.tuki1.net/

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