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ビジネスで使える心理学/菊原智明

【第27回】売りにくい商品を売りやすくする「コントラスト効果」

商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。

コントラスト効果とは?

 非常に高価なA商品を見た後に、それよりは安価なB商品を見ると、普段なら手が出ないB商品が安く感じられることがあります。これは「コントラスト効果」と呼ばれ、相対的に物事を捉えがちな人間の認知特性が引き起こす効果です。


●解説

 あなたが飲み会の幹事を引き受けたとします。場所を企画確定してどのコースにしようか迷っています。2つのコースのうち、どちらを選択したくなるでしょうか?

・Aコース とにかく安くエコプラン 2,500円
・Bコース 大満足お得プラン 3,500円

 AコースかBコースか迷うでしょう。では次の3つのコースから選ぶ場合はどうでしょうか?

・Aコース とにかく安くエコプラン 2,500円
・Bコース 大満足お得プラン 3,500円
・Cコース ちょっとリッチにプレミアムプラン 7,500円

 今度はBコースを選びたくなったのではないでしょうか。グレードの高いCコースを追加することでBコースが安く感じられ、選ぶ人が格段に増えます。

 このように、2つの価格帯のものに1つ追加して3つの価格をつけると効果があります。いわゆる昔から使われる、松竹梅です。こうすることで真ん中のプランがお得に見えるのです。これもコントラスト効果の1つです。


 コントラスト効果を営業活動で応用してみましょう。
 結果を出している営業マンから面白い話を聞きました。

営業マン「会社で見積手数料3万円というのを企画しましてね」
「見積もりで料金を取るのは珍しいですね」
営業マン「そうなんです。はじめはとんでもない!と」

 ほとんどの会社は見積もりを無料にしています。《有料にしたら誰も頼まなくなる》と思うでしょう。しかしこれには意外な効果があったと言うのです。

営業マン「実は簡易見積と有料の詳細見積、2パターン作ってみました」
「それでどうですか?」
営業マン「簡易見積のアポが取れるようになり、また驚くことに有料見積にするお客さまもけっこういて。以前より数はだいぶ増えましたね」

 有料の見積もりができたことで、お客さまが簡易見積を頼みやすくなったのです。


 以前は「見積もりを出させてもらえないでしょうか?」「ぜひ見積もりを見てください!!」とお客さまにお願いするだけでした。しかし2パターンあると、「詳細見積を出すには3万円かかりますが、まずは無料の簡易見積からやってみませんか?」と提案できます。このほうがお客さまは承諾しやすくなります。

 これは選択肢が2つの事例ですが、コントラスト効果を使った成功例だといえます。売りづらいもの、もしくは依頼を取りにくいものがあるとき、それよりもっと高いものや難しい物を設定してみてください。売りやすくなったり、依頼を取りやすくなったりします。コントラスト効果を活用して商談を上手に進めましょう。





菊原智明●営業コンサルタント/関東学園大学経済学部講師。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。7年間のダメ営業マンから4年連続トップ営業マンへ。現在は【訪問しないで売る】営業コンサルタントと大学で学生に向け【営業の授業】をしている。著書に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(アスカビジネス)など多数。
http://www.tuki1.net/

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