社員に「アイデア発想力」を身につけさせる3冊
年間1000冊のビジネス書を読む出版コンサルタントの土井英司さんが、人材の活用や育成などをテーマしたビジネス書を厳選して紹介します。
こんにちは、土井英司です。 このコーナーでは、毎回テーマを決めて1テーマにつき3冊の関連書をご紹介しています。
今月は、社員に「アイデア発想力」を身につけさせる、とっておきの3冊をご紹介。商品がデザインやフィーリング、遊び心で売れる時代、アイデア発想力が企業の競争力を決めると言っても過言ではありません。 『ビジネスマンのための「発想力」養成講座』は、そんな時代に全社員がアイデア発想体質になるヒントを散りばめた1冊。
★『ビジネスマンのための「発想力」養成講座』(小宮一慶 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/定価1,080円)
アイデア発想を成功させるための大前提を、「発想力」を鍛える12の原則、「発想力」を阻害する13の要因、「発想力」養成のための11の習慣、というシンプルな原理原則に落としこんで論じています。これらのうち、“「発想力」を鍛える12の原則”を見てみましょう。
1.「発想」は、具体的な目標のあるところに生まれる2.「発想」は、熱意を持って真剣に考えるなかから生まれる3.「発想」は、それが湧く場から生まれる4.「発想」は、行動の結果得られた情報をもとに生まれる5.「発想」は、相手にとってのベストを考えるところから生まれる6.「発想」は、過去事例との関連づけを考えるなかから生まれる7.「発想」は、「真似」から生まれる8.「発想」は、鳥の目・虫の目・魚の目で見るなかから生まれる9.「発想」は、規格外のことから生まれる10.「発想」は、徹底して行うなかから生まれる
なかでも興味深く読ませてもらったのが、“6.「発想」は、過去事例との関連づけを考えるなかから生まれる”という部分です。ここには、2015年の年賀ハガキの切手該当部分にデザインされた羊の絵の話が登場するのですが、これが面白い。2015年の羊は干支にちなんで手編みのマフラーを巻いているのですが、実はこれ、12年前と連動しているんです。
同じくひつじ年だった2003年の切手該当部分は、羊が「編んでいるところ」でしたが、2015年にはこれが「編み上がったところ」になっています。
確かに、これだけで話のネタになりますし、発想力のきっかけにもなりそうです。相変わらず、著者の目のつけどころが面白いこのシリーズ。今回で累計100万部を突破したそうですから、ぜひこの機会に読んでみましょう。
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●土井英司(どい えいじ)出版コンサルタント、ビジネス書評家、エリエス・ブック・コンサルティング代表取締役。1974年生。慶大卒。オンライン書店アマゾンの日本サイト立ち上げに参画。数々のべストセラーを仕掛け、カリスマバイヤーと呼ばれる。現在、出版コンサルタントとして著者のブランディングからマーケティングまでをトータルで行う。プロデュースした書籍に、100万部を突破した『人生がときめく片づけの魔法』、シリーズ累計37 万部を突破した『年収200万円からの貯金生活宣言』など多数。著書に『成功読書術』(ゴマブックス)、『土井英司の「超」ビジネス書講義』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。http://eliesbook.co.jp/bbm
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