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ストレスチェック義務化時代のメンタルヘルス入門

第4回 「ストレスを発見するには」

2015年12月、職場でのメンタルヘルス対策として、労働者の心理的な負担の程度を把握するストレスチェックが義務化されました。近年、企業にとってメンタルヘルスの重要性は増しています。豊富な臨床経験を持つ著者が、メンタルヘルスの基礎を解説します。

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 本年度の精神障害による労働災害の請求件数は1,515件で、過去最多となりました。心を病んで会社を休む人の数も増加傾向です。ストレスが、そのメンタル不全や労災の主な原因となっており、その未然防止として、「ストレスチェック」が義務化されました。


 本当にストレスが原因なのだろうか?ストレスのどこが問題なのか?どうすれば働く人は仕事を通じて幸福になるのか?こんな疑問を持ちつつ「ストレスを発見する方法」について考察してみます。

 

 

ストレスと脳内神経伝達ホルモンの関係


 折から人々の知的渇望を満たすような番組、『NHKスペシャル/シリーズ キラーストレス』(2016年6月18日、19日)が放送されました。最新のストレス科学によって、「キラーストレス(人を死に追い込むストレス)」の存在と対処法について解説していました。


 脳の情動をつかさどる扁桃体が興奮すると、「コルチゾール(※副腎皮質から分泌されるストレスホルモンのこと)」が分泌され海馬を傷つけるという内容でしたが、このメカニズムのほとんどは古くに発見され、調査研究の中で明らかになっています。


 ストレスのメカニズムは、脳内伝達物質の変化です。コルチゾールは、幸福ホルモンと呼ばれる「セロトニン」を減少させうつ状態に導きます。生死にかかわる脅威に直結するようなストレスに遭遇すると、扁桃体が興奮し海馬に影響を与えるのです。

 

              

 

 

知識があっても自分のストレスを発見できない


 いくらストレス科学の解明が進んで「コルチゾール」や「セロトニン」の働きが解明されても、一番重要な「解」は、自分にかかっているストレスに気づき対処することにあります。
 しかし、ストレスの知識が豊富でも、自分の体や脳の中に「コルチゾール」や「セロトニン」が出ているかどうかは気づくことができません。自分のストレスを発見するには、以下の3つの方法を実践することです。

 

 

 ストレス発見のための3つの実践方法

 

(1)モニタリング方法

 

 自己観察法のことで、自分を客観的に見つめ、毎日、日記などをつけていく方法です。今日はお酒を飲み過ぎた、友人と仲良くできなかった…等々、日常生活との「ズレ」を見ていくのです。自己観察だけではなく、日記をつけて客観視していくところがポイントで、丹念に観察を続けることが発見のコツです。

 


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●文/佐藤隆(さとう たかし)
株式会社総合心理教育研究所 代表取締役、臨床心理士、精神保健福祉士
日本鋼管病院の精神衛生室および同社人事部兼務にて、日本のメンタルヘルス対策草創期の実務に携わる。慶應義塾大学、明治学院大学にて非常勤講師、東海大学短期大学部にて学科長を務める。学術活動として300社以上の企業および官公庁を対象に、リーダーシップおよび管理職のメンタルヘルスに関する調査研究を実施。多数の企業における人事部・管理職向け研修や人事システム立案に携わる。現在グロービス経営大学院大学教授、ハンス・ セリエ財団カナダストレス研究所上席客員研究員、財団法人パブリックヘルスリサーチセンター客員研究員、日本産業精神保健学会会員。著書に『臨床心理学とストレス科学』(エイデル研究所)、『ビジネススクールで教えるメンタルヘルスマネジメント入門』(ダイヤモンド社)、『職場のメンタルヘルス実践ガイド』(ダイヤモンド社)など多数。
http://www.sipe-selye.co.jp

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