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働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。
植島英作さん(仮名・35歳)が胸の痛みを覚えたのは、配送会社に転職して1年がたったころだった。いくつかの病院で検査をしたが原因は不明。就寝中も痛みで起きることがあったため、睡眠の時間、質ともに低下。そんな状態で毎朝5時に起きて4トントラックを走らせる。中距離ドライバーだが、1日に100キロ走ることもあった。
「とにかく事故を起こさないように神経を使います。眠くなったらガムをかんだり、音楽を大音量にかけたりしてごまかします。私は鮮魚を運んでいるので、時間との闘いです」
大学卒業後、植島さんは新卒でメーカーの営業マンになったが3年ほどで退職。大学までサッカー部に所属してプロ選手を目指していたため、もう一度夢に挑戦しようとヨーロッパに渡った。32歳のときに帰国し、サッカー部のツテを頼って配送会社に正社員として入社した。大手企業のグループ会社で安定した基盤があった。
「やるだけのことをやったので、今さらもう、やりたいこととかなく、地に足をつけて働こうと思ったのです」
とはいえ、現実は想像以上に厳しかった。
「運転以上に、荷物の積み下ろしがつらいですね。冬はとくに体にこたえますが、サッカー部出身だけにつらいとは言えないんですよ。体育会系で育ってきているので、《その程度で根を上げるのか》と思われるのが嫌なんです」
そんな植島さんの体調に異変が現れたのは、入社して1年がたったころだった。
「胸の痛みです。締め付けられるような痛みで、特に明け方とか、朝起きたときに症状が現れることが多いです。1日入院の人間ドックまで受けましたが、原因は不明でした」
そんなとき、勤務形態が変わった。配送の請負契約が増えていくに連れて、深夜帯と日勤の2交代制になったのだ。
植島さんはこれまでと勤務時間がほぼ変わらない日勤帯を希望して受け入れられた。深夜帯の多くは新人で対応することになり、これまでの生活パターンが続けられると安堵した。だが、新しい体制は絵に描いた餅でしかなかった。
新体制の深夜帯で欠勤、退職者が出ると、穴埋めは日勤者に回ってきた。日勤が終わったあと、仮眠を取り、そのまま深夜勤務に突入。そんなことがしばしば続き、かなりの長時間労働にもなったが、仕事量が減ることはなかった。胸の痛みは日増しにひどくなっていった。漢方も試したが、どれも効果はなかった。
「会社の売上はどんどん上がっていきます。ボーナスも僕らに還元され、深夜勤務もあるから、稼ぎは良くなりました。しかし、現場は疲弊しています。配送員が増えて、管理専門のマネジャーも増えましたが、結局、そのマネジャーも退職者、欠勤者の穴埋めに回ることがあり、機能していません。会社の規模だけどんどん大きくなるのに、体制がついていかないのです」
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