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【現場に学ぶ】繁盛企業のマネジメント/岡本文宏

新人の定着率は、出勤初日の「迎え方」で大きく変わる

著者が実際に見聞きした事例をもとに、人の定着や戦力化などに関する取り組み方法や解決策などをお伝えします。(2026年3月10日)

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 4月になると、新卒社員や春に採用するパート・アルバイトスタッフが、職場に配属されます。せっかく採用した人材なので、いつまでもモチベーション高く、できれば長く勤めてもらいたいですよね。でも、実際には、採用後1年を待たずに辞めてしまうケースが少なくない、という声も多く聞きます。

 新人スタッフが初出勤をする際、心の中を想像してみたことはありますか? あなたが新人だったときのことを思い出してください。初出勤の日は、ドキドキ、ワクワクが混在した状態で、どちらかと言えば、不安な気持ちが勝っているという状態だったのではないかと思います。

 人は、不安を抱えたままではモチベーションを高めることができません。心が落ち着いてはじめて、本来の力を発揮できるようになります。必要なのは、新人の初出勤の日に、不安な気持ちを払拭できるように働きかけることです。





出勤初日に「居場所がある」と感じてもらうために

 兵庫県の精肉小売・卸業を営む企業では、新入社員が入社する2カ月前から、社員全員で出勤初日に新人を受け入れるための準備を始めます。入社式のセレモニー内容、午後のオリエンテーション、営業終了後の歓迎会まで、出勤初日の流れを社員全員で1つずつ決めていきます。前年よりも「よい入社式にしよう」と真剣に頭を使い、取り組んでいきます。

 これまでで、とくに好評だったのは、新入社員の家族から本人宛にエールを送る手紙を書いてもらい、それを歓迎会の場で読み上げてもらうという企画でした。ゆとり世代やZ世代の中には、家族とのコミュニケーションを大切にしている人も多く、家族からの応援メッセージは、心に響くようです。同社の新人スタッフからは、「全社員から受け入れられていることが分かった」「やる気がそれまで以上に高まった」という声を聞いています。


「自分の居場所がここにある」と実感してもらう

 
社員全員で一から形にしていく「手作り入社式」の目的は、出勤初日から新人スタッフに「自分の居場所がここにある」と実感してもらうことにあります。新人は居場所があると認識できるまでには時間が掛かり、それまでは、ずっと不安な気持ちでいることになるのです。そういうときに、ミスをして叱られたり、お客様からクレームをいただいたりすることがあれば心が折れてしまい、退職へとつながりかねません。そうならないために、出勤初日から「あなたの居場所がここにある」と分かってもらえるようにする必要があるのです。
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●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛店づくり』のノウハウを提供している。『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)、『繁盛店のやる気の育て方』(女性モード社)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/
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