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労働関連法で実務に直結した部分をクローズアップし、分かりにくい点や対応策などを解説します。(2019年7月4日)
この4月より働き方改革関連法が施行される中、「年次有給休暇の時季指定義務」については以前、触れたところですが、今回は、参考例を交えて実務に直結して役立つポイントを整理します。
<年次有給休暇管理簿の作成>
使用者には取得状況を把握するため、労働者ごとに基準日、取得時季等を記録した「年次有給休暇管理簿」の作成義務があります(3年間保管)。
【様式例】1年間の場合
<就業規則への規定要領>
休暇に関する事項は就業規則の絶対的明示事項(労基法89条)のため、時季指定となる労働者の範囲や時季指定の方法などを、就業規則に記載する必要があります。これを怠ると30万円以下の罰金(労基法120条)を課せられる恐れがあり、注意が必要です。
【就業規則の規定例】「時季指定義務」に関する箇所のみを抜粋
第〇条□項
年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対しては、付与日から1年以内に当該労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が労働者の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、労働者が自らの請求・取得による場合または労使協定による計画年休により年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。
<取得促進策としての計画年休>
年次有給休暇の取得促進には計画年休の導入が有効であり、導入には就業規則による規定化と過半数労働組合(または過半数労働者の代表)との書面による労使協定の締結が必要です。なお、締結した労使協定は所轄労働基準監督署に届け出る必要はありません。
【就業規則の規定例】「計画的付与」に関する箇所のみを抜粋
第〇条◆項
労働者代表との書面による協定により、各労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることがある。
●文/田代英治(たしろ えいじ)
社会保険労務士。株式会社田代コンサルティング代表取締役。神戸大学経営学部卒。企業の人事制度の構築や運用、人材教育などに取り組む。著書に「人事部ガイド」(労働開発研究会)、専門誌への寄稿など執筆実績多数。
http://tashiro-sr.com/
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