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労働関連法で実務に直結した部分をクローズアップし、分かりにくい点や対応策などを解説します。(2019年11月28日)
2019年4月1日の法改正で、年次有給休暇が年10日以上付与される従業員を対象に、付与日(基準日)から1年以内に、年間5日を取得させることが企業に義務付けられました。法改正後、初めての取得期限が数カ月後に迫る中、年度途中で従業員に起こりえる出来事により、法で定める企業義務を完遂することが困難な事態となりかねません。あらためて取得対象者の確認と、効果的な取得促進が求められます。
<年度の途中で諸事情が発生した従業員の対応>
<効果的な取得促進策>
基準日から一定期間が経過したタイミング(半年後など)で年次有給休暇の請求・取得日数が5日未満となっている従業員を特定し、当該従業員の意見を聞いた上で、企業サイドから時季指定を行います。これにより、本人からの年次有給休暇の請求を妨げず、かつ効率的に管理を行うことが可能です。
<その他留意事項>
企業の時季指定を従業員が拒否した場合は、注意が必要です。時季指定に従わず、従業員が自らの判断で出勤し、企業がその勤務を認めた場合は、年次有給休暇を取得したことにならないため、企業が法違反を問われることになります。(ただし、労基署の監督指導で法違反が認められた場合は、原則として是正に向け、丁寧に指導し、改善を図ることとしています)
●文/田代英治(たしろ えいじ)
社会保険労務士。株式会社田代コンサルティング代表取締役。神戸大学経営学部卒。企業の人事制度の構築や運用、人材教育などに取り組む。著書に「人事部ガイド」(労働開発研究会)、専門誌への寄稿など執筆実績多数。
http://tashiro-sr.com/
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