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社員教育を行うときに考えておきたいことや注意したいこと、心に留めておきたいことなどをお伝えします。(2021年6月24日)
都市部を中心にチェーン展開している中堅スーパーA社の社員教育をお手伝いして、7年ほどになります。目標に掲げた定着率アップを実現するため、店長を対象にした研修を行っています。研修は5つのステップを経て、企画しました。前回は2ステップまでご紹介しました。今回は残りの3ステップです。
●企画ステップ3:人から教わるのではなく、体感ワークで自分のクセに気づく
研修カリキュラムは、講師が一方的に話す座学スタイルではなく、チーム(1チーム5、6名)で行う体感ワークを中心に構成しました。人から教わるのではなく、自分で自分の課題に気づくほうが学びになるからです。さまざまな体感ワークを通して、学び取っていただけるようにしました。
体感ワークは「頭で理解していることと、実際にできることは違う」ということを身体で感じるように設計されています。頭では理解できていても、実際の職場では行動できないことがよくあります。その原因の1つに、人は過去の経験、学びから形成された「思考のクセ」や「行動のクセ」が障壁になっていることがあります。その障壁である「思考のクセ」「行動のクセ」を体験するワークで顕在化させるのです。
例えば、「他人任せで自分から動かない」「自分でなんでもやってしまう」「周囲に遠慮し過ぎて意見を言えない」等々、職場での普段の自分が出ます。その言動、行動が職場に貢献し得る価値があることなのか、自分自身で振り返っていただくのです。
新しい理論やスキルを習得するときには、自分の思考特性、行動傾向を知る必要があります。なぜなら、理論やスキルはそれを活用する人の思考特性や行動様式によって、活用方法が大きく異なるからです。例えば、慎重すぎる人が「新規事業を起ち上げる」ためには理論、スキルと共に「失敗を恐れない勇気」も同時に身につける必要があります。理論やスキルを有効に活用するためには、自分に根づいているマインド、思考、行動を認識し、改善していくことが必要です。その1つの手法が体感ワークなのです。
●企画ステップ4:学んだことを「現場」で活かせる仕掛け
繰り返しになりますが、研修の成果とは、仕事で成果を出すことです。どんなにすばらしい研修でも、仕事に応用できなければ意味がありません。それを実現する仕掛けも、カリキュラムに取り入れました。
それは、研修の終わりに受講者に「課題」を設定してもらうことです。「課題」は心がけることではなく、具体的な行動に落とし込んだものにしてもらいます。例えば、「パートさんにあいさつをする」「1日1回、スタッフ全員に声をかける」「仕事の指示を出すときに“やっといて”と言うだけではなく、仕事の意味を説明して理解してもらう」といった具合です。
それを次回の研修までに実際に取り組んでいただき、当日に結果を発表してもらい、全員で検証します。毎回そうすることで、研修で学んだことを実践していただくのです。
この学習手法を、ご存知の方も多いと思いますが、アクションラーニングと言います。現実の課題に対して、自分で考えた解決策を実行し、その結果を振り返りながらグループディスカッションで学んでいくものです。「Action(実践)」と「Learning(学習)」を兼ね備えているため、変化のスピードが激しい現代に適した学習手法と考えられています。
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【談】波多野雅彦/株式会社アイデム 東日本事業本部キャリア開発支援チーム教育・研修企画担当、キャリアコンサルタント(国家資格)
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