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モラハラ(モラルハラスメント)上司によって、廃人同様にされてしまったビジネスマンの事例です。
親しい友人と会い、共に語ることほど楽しいものはない。やがて、話が進むにつれ、職場の上司の話題が一度は出てくるものだ。上司の存在はビジネスマンにとって想像以上に大きい。完全なオフタイムなのに、繰り返し思い出す上司。それがあまりにも不快で苦痛だったらたまらない。
耐え抜いた一郎
不動産関連会社のK課長のもとで働いて、2年以上もった社員はいない。やはり2年もたなかった社員がいた。一郎だ。一郎は現在休職中だが、次の新しい会社で働く気力が全くわかない。一郎は、「どうしたら生活保護は受けられるか、そんなことばかり考えてしまう」と言う。
次の会社にもK課長のような上司がいて、また毎日嫌な気持ちで仕事をするのかと思うと働く気力が出てこない。
K課長は、一郎が苦労して成果を出しても褒めない。仕事がうまくいけば自分の指導のおかげで、うまくいかなければ部下の責任にする。いつも一郎は辞めた人間と比較され、「あいつならこうしたはずだ。あいつはあきらめなかったよ」などと言われた。比較されるのは、2年間もたずに会社を辞めて、その2週間後に突然死した人である。K課長のそのときの気分で奴隷のように使われ、ボロボロになって死んだのだ。
K課長はいつも一郎を見下した。ある日、彼女と湘南でドライブしたことを、たまたまK課長に話すと、「君が彼女とドライブね〜。立派なもんだ」などといって見下す。
また、お客さまからのクレームをわざわざ一郎に回したりするなど、面倒で嫌な仕事もやらせていた。K課長は一郎が仕事でつらい思いをして、相談に乗ってほしいと頼んでも、一切相談に乗らない。面倒なことには関わりたくないのだ。
面倒なことに、K課長は、どんなときも中立的な立場をとる。全く関係ない評論家のような立場になってしまうのだ。一郎の立場には立たない。そうかと思えば、「よく働く部下を持つY課長がうらやましいな〜」なとど言って、他の課長をうらやむ。全く的が外れている態度に吐き気さえするくらいだ。
K課長は、まさにモラハラ上司なのだ。モラハラ上司に部下は、知らぬ間にバカにされ、コケにされて自尊心をズタズタにされてしまう。彼は心理的暴力のプロなのだ。そのくせ、自分の上司には歯の浮くようなお世辞を言う。
一郎は、K課長の毎日のモラハラ攻撃に2年近くさらされたことで、慢性的なストレスになり、働く意欲を喪失してしまったのだ。一郎はモラハラ上司の被害者になった。
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●河田俊男
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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