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メンタルコントロールは仕事の成果や自己成長につながる重要なスキルです。ビジネスシーンでわき起こるさまざまな感情との向き合い方を解説します。(2022年3月29日)
友人の話を聞いてあげたのに、逆に落ち込ませたのかもしれないと反省しているFさん(42歳男性・公務員)。友人Dさんは高校の部活で一緒に頑張った仲間で、飲食店を経営しています。3年前に2店目を出店したのですが、コロナで客足も遠のき、今後のことが不安だということで、久しぶりに会って話をしたそうですが…。
「いろいろな問題について相談を受けたんです。資金の借り入れ、従業員の確保、子供の進路など、ネットで検索したりして真剣に解決案を考えました。特に事業に関しては、補助金をもらう、やめる、縮小する、業態を変えるなど、いろいろ提案するんですが、基本すべて『できない』という回答です。だんだん腹が立ってきて『そういうネガティブな考えだから駄目なんだ、高校の部活を思い出せ』と気合を入れるつもりで言ったのですが、『公務員のお前に何がわかる』と喧嘩になってしまいました」とFさん。
せっかく自分を頼って相談してくれたのに、「力になれなかった」と自分自身も落ち込んでいると言います。
話をしたいときに求めるもの
以下、Fさんとの私のやりとりです。
私「ちょっと考えてみましょうか。もし、あなたが、いろいろ頑張ったけれど結果が出ないときがあったとしましょう。それを上司からみんなの前で、皮肉を交えて叱責されたとします。あなたには、いろんな思いが浮かび上がりますね。誰かに話したくなりますか」
Fさん「基本、私は誰にも相談はしないのですが、話したい気持ちはあるかもしれません。妻、同僚、親、友人…。Dに相談するかもしれません」
私「では、もし、Dさんに話をするとして、そのとき、どんなリアクションがほしいですか?」
Fさん「お前は悪くないって、言ってほしいです」
私「そうですよね。同じことだと思いますよ。Dさんがあなたに求めていたのは、どうすればいいか、という答えではなくて、エールじゃないでしょうか。エールとは、そんな困難な状況でお前はよくやっている、というメッセージです。一方、いろんなアドバイスをすることは『お前はまだ努力をしていない』というメッセージ。だからDさんは、怒ったのではないでしょうか?」
大人の相談は感情をケアする
Fさんは、不意を突かれたような顔をして少し考えていましたが、「でも、Dは『どうすればいいんだろう』と言っていました。だから、回答を必死で考えたんです。しかも、Dが怒ったとしても、僕はまだあいつは努力が足りない、言い訳ばかりして本当のリーダーではない、と本当に思っている。友人だからこそ、厳しいことを言ってやったんです」と答えました。
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●文/下園壮太(しもぞの そうた)
元陸上自衛隊メンタル教官、メンタル・レスキュー協会理事長、同シニアインストラクター。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊入隊。陸自初の心理幹部として、自衛隊員のメンタルヘルス教育、リーダーシップ育成、カウンセリングなどを行う。退官後は講演や研修を通して、独自のカウンセリング技術の普及に努める。『自衛隊メンタル教官が教える心をリセットする技術』(青春出版社)、『50代から心を整える技術』(朝日新書)など著書多数。
https://www.yayoinokokoro.net/
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