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職場のメンタルヘルスに関する事例・対策などについて、専門家が解説します。
人は大きな環境の変化にさらされたとき、うまく適応できず、精神や身体に不調をきたしてしまうことがある。5月病はその1つである。新卒社員や新入生だけでなく、30〜40歳代でも異動や転職などの環境変化に対応できず、5月病になる人もいる。
退職する若者たち
4月に新社会人となった昌夫は5月の連休が終わると、会社に行きたくなくなった。昌夫は新卒として中堅の電子部品メーカーに就職したが、仕事に興味が持てなかった。思い起こすと、彼にはやりたいことがなかった。大学受験も、就職活動も自分が入れそうなところを選んだ。
会社の先輩社員たちを見ていると、自分の将来の姿が見えるようで怖かった。昌夫は嫌な気分が抑えられず、退職届を出した。
有名私立大学を卒業し、大手損害保険会社に入社した麻友も2年目の5月に会社を辞めた。1年間勤めたが、漠然と「自分の居場所はここではない」と思ったのだ。
親の勧めで有名幼稚園から有名大学に進学した彼女には、今まで人生を自分で選択したという実感がなかった。会社を辞めることは、自分にとって初めての決断だった。
麻友は、自分で決めたことが嬉しかった。自分らしい人生、納得のいく人生を手に入れたい。たった1つしかない自分の人生を、好きなように生きてみたい。それが麻友の心の中からの叫びだった。
なぜ、5月病になるのか?
5月病には、さまざまな心理的原因があるが、その1つが対象喪失だ。対象喪失とは、親との死別や引っ越し、リストラ退職など愛着のあった人や立場などを失ったときに感じるものだ。
就職して新社会人になると、学生の頃の人生を喪失する。逆に、新社会人としての新たな人生を獲得するのだが、5月頃に喪失感を強く感じる人がいるのだ。また、新社会人になって仕事や人間関係に過剰適応する人もいる。仕事をするにあたり、ストレス耐性がまだ十分にできていない影響もある。いずれにしても、5月は心理的なストレスが重なる時期なのだ。
脳科学で原因を探る
脳科学の視点で見ると、20代の脳は未成熟だ。思考をつかさどる前頭葉は、20〜30歳の間に成熟するという研究もある。答えのある試験問題などを考える思考能力は発達していても、仕事でのイレギュラーな対応や、人生などの漠然とした問題を考える思考能力は成熟しておらず、脳への負担が大きい。
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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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