11月、ハラスメントに関する大きなニュースが2つありました。1つは、福井県知事が複数の職員にセクハラに当たるメッセージを送ったことを認め、辞職を表明したことです。もう1つは、今年6月にコンプライアンス上の問題ですべてのレギュラー番組を降板したタレントの国分太一氏が問題発覚後、初めて記者会見を行い、一連の問題について謝罪しました。問題の内容は、セクハラに該当することだと報じられています。
厚生労働省は毎年12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場づくりを推進しています。今年は、カスハラにクローズアップした取り組みを行っています。2026年10月、カスハラを防止するために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主に義務付けられますが、就職活動中の学生に対するセクハラ防止義務も課されます。
セクハラは加害者と被害者に力関係の差があるほど起こりやすく、就活は発生しやすい状況にあります。近年、就活中の学生へのセクハラや性的暴行で、大手企業の社員が逮捕される事態も発生しています。ハラスメントの防止は声高に叫ばれていますが、依然として問題は起きています。つい先日も、佐賀県有田町の町長が出張の際、宴席で接客をした女性にセクハラをしたという報道がありました。これまでに公開したコンテンツの中から、セクハラに関するものをピックアップしてご紹介します。
●セクハラを受けていると相談されたら(2024年4月16日公開)
2020年、弁護士相談プラットフォームを運営する株式会社カケコムは、勤務経験がある男女100人を対象に『職場でのセクハラ経験に関するアンケート』を実施しました。約8割が「セクハラを受けたことがある」と回答し、衝撃的な結果となっています。
セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、性的嫌がらせのことです。男女雇用機会均等法では事業主に対し、職場におけるセクハラ対策のために、相談窓口を整備するなどの必要な措置を講ずることを義務付けています。対象者は正社員やパート・アルバイトなど、事業主に雇用されているすべての労働者だけではなく、自社に派遣されている派遣社員も含まれています。
●セクハラがあったとき、会社の責任は?〜T菓子店事件〜(2023年5月30日公開)
【事案の概要】
本件は、被控訴人(一審被告)が経営するB菓子店で契約社員として勤務していた控訴人(一審原告)が、店長Aからセクシュアルハラスメント(セクハラ)等を受けたとして被控訴人会社に対し、損害賠償を請求した事案です。なお、加害者とされているAは被告とされていません。
一審では請求が棄却されたので、控訴人は控訴しました。二審で、店長Aのセクハラ等の発言として裁判所が認めたものは次のようなものです。
(1)勤務時間中の発言
「頭がおかしいんじゃないの」「僕はエイズ検査を受けたことがあるから、〇〇さんもエイズ検査を受けた方がいいんじゃないか」「秋葉原で働いた方がいい」(メイド喫茶で働くのが向いているという趣旨)
●ハラスメントにグレーは存在しない(2023年3月16日公開)
貴社では、ハラスメントの対策をされていらっしゃいますか。
ご存じの方も多いと思いますが、2020年6月に改正労働施策総合推進法が施行され、その中で職場内のパワハラを防止するために必要な措置を講じる規定が義務化されました。大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から施行になっています。これを機にハラスメントに対する認識が高まると同時に、コンプライアンスの観点から様々な施策を講じている企業様が多いでしょう。
・相手がどう思うか?
ハラスメント研修をご依頼頂く際に、「グレーな部分についての解説をしてほしい」というご要望を挙げられるご担当者の方がいらっしゃいます。しかし、個人的には「ハラスメントにグレーは存在しない」という考えでいたほうがよいと思います。なぜなら、ハラスメントは「その行為をされた相手がどう思うか?」の占めるウエイトが非常に大きいからです。
●文/三宅航太
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部 データリサーチチーム所属。
大学卒業後、出版社に入社。書店営業部を経て、編集部に異動。書籍の企画・制作・進行・ライティングなど、編集業務全般に従事する。同社を退社後、フリーランス編集者、編集プロダクション勤務を経て、株式会社アイデム入社。同社がWebサイトで発信する人の「採用・定着・戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務を担う。働き方に関するニュースの考察や労働法の解説、取材、企業事例など、さまざまな記事コンテンツを作成している。